エラーの概要
AWSで401エラーが返される場合、リクエストに含まれる認証情報が無効であることを示しています。AWS API、SDK、CLIのいずれかを使用する際に、アクセスキー、シークレットアクセスキー、セッショントークン、またはIAMロールの認証情報が不正または期限切れの状態で送信されると発生します。このエラーは認証層での問題であり、比較的簡単に解決できるケースがほとんどです。
実際のエラーメッセージ例
$ aws s3 ls
An error occurred (InvalidAccessKeyId.NotFound) when calling the ListBuckets operation: The AWS Access Key Id you provided does not exist in our records.
{
"Error": {
"Code": "UnrecognizedClientException",
"Message": "The security token included in the request is invalid"
}
}
HTTP/1.1 401 Unauthorized
{
"message": "Unauthorized"
}
よくある原因と解決手順
原因1:アクセスキーが無効または存在しない
AWS IAMユーザーのアクセスキーが削除されたり、誤入力されたりしている場合に発生します。特に手動で環境変数やConfigファイルに設定した場合は打ち間違いが多いです。
export AWS_ACCESS_KEY_ID="<your-access-key-id>"
export AWS_SECRET_ACCESS_KEY="<your-secret-access-key>"
aws ec2 describe-instances
After(修正後):
# IAMコンソールで現在のアクセスキーを確認
# または新しいアクセスキーを生成してから設定
export AWS_ACCESS_KEY_ID="<your-access-key-id>"
export AWS_SECRET_ACCESS_KEY="<your-secret-access-key>"
aws ec2 describe-instances
確認手順は以下の通りです。AWSマネジメントコンソールでIAM→ユーザー→セキュリティ認証情報タブを開き、アクセスキーが有効(Active)な状態であることを確認してください。無効な場合は新しいアクセスキーを生成する必要があります。
原因2:セッショントークンの有効期限切れ
AssumeRoleや一時的な認証情報を使用している場合、セッショントークンには有効期限があります(デフォルト1時間)。時間が経過すると401エラーが発生します。
Before(トークン期限切れの状態):
import boto3
from datetime import datetime
# 1時間前に取得したセッション認証情報を使用
session_token = "AQoDYXdzEJr...(expired)"
client = boto3.client(
's3',
aws_access_key_id='ASIAJ...',
aws_secret_access_key='...',
aws_session_token=session_token
)
response = client.list_buckets() # 401 エラー
After(トークンを再取得):
import boto3
# IAMロールを持つEC2インスタンスまたはECSタスクでは自動更新される
# または AssumeRole を再実行してトークンを更新
sts_client = boto3.client('sts')
assumed_role = sts_client.assume_role(
RoleArn='arn:aws:iam::<account-id>:role/<role-name>',
RoleSessionName='my-session'
)
credentials = assumed_role['Credentials']
client = boto3.client(
's3',
aws_access_key_id=credentials['AccessKeyId'],
aws_secret_access_key=credentials['SecretAccessKey'],
aws_session_token=credentials['SessionToken']
)
response = client.list_buckets() # 成功
セッション認証情報の有効期限はcredentials['Expiration']で確認できます。定期的にAssumeRoleを再実行して新しいトークンを取得するか、IAMロール付きのEC2・ECSリソースで実行する場合は自動更新に任せてください。
原因3:IAMポリシーが適切に設定されていない
認証情報自体は有効でも、実行しようとしている操作に対するIAMポリシーが不足している場合があります。この場合でも401エラーが返される(より正確には403Forbiddenとの区別が曖昧)ことがあります。
Before(権限不足のポリシー):
{
"Version": "2012-10-17",
"Statement": [
{
"Effect": "Allow",
"Action": "s3:GetObject",
"Resource": "arn:aws:s3:::my-bucket/public/*"
}
]
}
上記のポリシーでs3:ListBucketを実行しようとすると401に近い扱いになります。
After(必要な操作を許可):
{
"Version": "2012-10-17",
"Statement": [
{
"Effect": "Allow",
"Action": [
"s3:ListBucket",
"s3:GetObject"
],
"Resource": [
"arn:aws:s3:::my-bucket",
"arn:aws:s3:::my-bucket/*"
]
}
]
}
AWSポリシーシミュレーター(IAMコンソール→ユーザー/ロール選択→ポリシーシミュレーター)を使用して、実際の操作が許可されているか事前に確認できます。
原因4:AWS CLI設定ファイルの破損または不完全な設定
~/.aws/credentialsや~/.aws/configファイルが不正な形式か、必須フィールドが不足している場合があります。
Before(不完全なcredentialsファイル):
[default]
aws_access_key_id = <your-access-key-id>
# aws_secret_access_key が記載されていない
After(正しい形式):
[default]
aws_access_key_id = <your-access-key-id>
aws_secret_access_key = <your-secret-access-key>
region = ap-northeast-1
設定ファイルの形式を確認するには、以下のコマンドで現在の設定を表示できます:
aws configure list
aws sts get-caller-identity # 認証情報が有効かテスト
AWSツール固有の注意点
API Gatewayの401エラー:
API Gatewayに IAM認証を設定している場合、リクエストにAuthorizationヘッダーが正しく含まれていない、または署名が無効な可能性があります。AWSCLIやSDKを使用すると自動で署名されますが、curlや外部ツール使用時はAWSSignatureVersion4で手動署名が必要です。
Cognitoユーザープール認証の場合:
OAuth2.0またはOpenIDConnectのIDトークン検証で401が発生する場合、トークンの有効期限切れやクライアントIDの不一致が原因です。aws cognito-idp initiate-authでトークンを再取得するか、リフレッシュトークンで更新してください。
Lambda実行時の認証情報: EC2やECS内のLambda関数からAWSリソースにアクセスする場合、IAM実行ロール(Execution Role)に必要なポリシーが付与されていることを確認してください。ロールはLambda関数作成時に指定される必要があります。
CloudFormationやスタック操作:
IAMユーザーがCloudFormationスタックを作成・更新する場合、そのユーザーにcloudformation:CreateStack、iam:PassRoleなどのポリシーが必要です。不足していると401ではなく403Forbiddenになることもあります。
それでも解決しない場合
aws s3 ls --debug 2>&1 | grep -i "authorization\|credential"
このコマンドで認証情報の送信状況を詳しく確認できます。
CloudTrailでリクエスト失敗の詳細を確認: AWSマネジメントコンソールのCloudTrailサービスで、失敗したAPIコール(errorCode:「InvalidAccessKeyId」など)の詳細ログを確認してください。リージョンやソースIPアドレスなどの情報が記録されています。
STSエンドポイントの動作確認:
aws sts get-caller-identity --profile <your-profile>
このコマンドで成功すれば、基本的な認証情報は有効です。失敗する場合は認証情報そのものが無効です。
公式ドキュメント参照:
- AWS SDK トラブルシューティング:https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/sdkref/latest/guide/troubleshooting.html
- IAM トラブルシューティング:https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/IAM/latest/UserGuide/troubleshoot_general.html
- API Gateway認証:https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/apigateway/latest/developerguide/api-gateway-authentication-and-access-control.html
GitHubIssuesやAWSSupport: 特定のサービス(例えばboto3)で一貫して401が返される場合は、該当リポジトリのGitHubIssuesで同様の報告がないか検索してください。解決策が記載されていることもあります。個別のアカウント問題の場合はAWSsupportに問い合わせることをお勧めします。
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